KOLドクターのコメント収録 失敗しないための3つの極意

はじめに

弊社では、KOLドクターが出演する、いわゆるe-ディテーリング動画を多く制作しています(年間200タイトル以上)。今回は、その豊富な経験から、KOLドクターのコメント収録を成功させるための3つの極意をご紹介いたします。

1.広ければいいというものではありません
撮影会場の選定のポイント

撮影会場としては、主に3つの場合があります。
1.ホテル会場
2.撮影スタジオ
3.クライアント企業の会議室
それぞれに利便性などの特性がありますが、まず、重要となってくるのが広さです。
撮影・照明機材を設置する撮影スペース、立会い者や出演者の打合せスペースなどを考慮すると、80㎡以上の広さが理想的です。
下の図は、85㎡のホテル会場を利用した場合の会場レイアウトです。こう見るとかなり狭い印象で、これに出演者、クライアント、スタッフ総勢で、10名前後のひとが入りますので、広さが重要になることは、ご理解いただけると思います。

広さの次に重要になってくるのが、会場の静寂性です。ホテル会場の場合、隣接した宴会場で、同時刻にどのような用途の利用があるかを事前に確認します。パーティーなど、音の出るイベントがあると、まず収録になりません。また、クライアントの会議室の場合も同様で、結構となりの話し声が聞こえることがあります。
またホテル会場の場合、別な視点で重視しているのは、メーカー競合です。これは、ホテル側もかなり気を使っていて、競合する領域の案件は、ホテルから断られることもしばしばです。
撮影スタジオの場合は、比較的広く、同時録音用のスタジオであれば、音の問題もありません。撮影専用の作りになっているので、撮影だけを考えれば最適なのですが、KOLドクターを招く場合、必ずしも案内しやすい立地とは限らないことがマイナスポイントです。
このように様々な条件を考慮し、何を優先するかを的確に判断することが、最適な撮影会場を選ぶポイントです。

2.なめらかなコメント読み上げを生むプロンプター使用のコツ

今やコメント収録に欠かせないアイテムとなったプロンプターですが、あればいい、使えばいいというわけではありません。

プロンプターに映し出されるのはパソコンの画面ですから、プロンプ原稿をどのように作成するかによって、読みやすさが変わったり、出演者の瞳の動きが気になったりすることがあります。
下は、プロンプター原稿の例です。何気ないものですが、これにもいくつかのコツが反映されています。

①パワーポイントを使用:Wordを使ったスクロールする原稿は、読みにくいものです。
②文字量は少なめ:1枚の文字量が多いと、出演者は、言い間違いを恐れて緊張します。
③文字はスライドの中心:プロンプターのレンズの位置は、原稿の中央です。目線移動は少ないことが理想的です。
④背景は黒:ハーフミラーへの影響が少なく、コントラストを生みやすい色使いです。

実際の撮影では、コメント中のどのタイミングで原稿を送るか、原稿の修正があったときに、即座に対応できるかなど、プロンプター担当者は、意外に習熟が要求されます。プロンプターを上手に使うことも撮影の極意の一つと言えます。

3.イライラ一切なし!スピーディーな撮影進行

撮影は、出演者も立ち合いの方もスタッフも緊張感が要求されます。緊張感は長く持続できませんから、ムダなく、メリハリの利いた撮影をスピーディーに進めることが求められます。そのために必要となるのが洗練された進行フローです。標準的な進行手順を示します。

  ①会場設営、撮影セッティング
(立会い者、出演者会場入り)
 
  ②出演者への撮影進行説明
 
  ③出演者の原稿確認→変更の場合プロンプターに反映
 
  ④出演者のヘア・セット、メイク
 
  ⑤出演者の撮影舞台入り
(マイク装着、照明調整、プロンプター調整)
 
  ⑥撮影
 
  ⑦撮影した素材の出演者へのプレビュー
 
  ⑧今後の仕上げスケジュールの確認
 
  ⑨終了
 

撮影は、台本の冒頭から末尾まで、順に撮るのではなく、合理化のため、2つに分けて進めます。ひとつは、出演者の姿が写るカット、次に、声(ナレーション)だけを録音するカットです。

【姿が写るカット】
出演者の特性やコメント内容によって、身振り手振り、歩きながらなど、アクションを加えて撮影します。よりカッコよく、より美しく撮るために、細かな調整をしながら撮影を進めます。撮影した素材は、最後に出演者にプレビューし、撮影クオリティの了承を得ます。
【声だけのカット】
編集してつなぎ合わせることを前提に、ところどころ言い直してもらいながら、できるだけ滞りなく録音を進めます。現場で原稿を変更した場合は、念のため、オリジナル原稿通りのバージョンも録音します。

終わりに

KOLドクターの撮影は、e-ディテーリング動画制作の大きな山であり、作品の出来栄えに大きくかかわります。また、会場手配などの準備から始まる、撮影のすべての工程の良し悪しは、クライアント様の満足度に大きくかかわってくることを私たちはよく認識しています。
以上、私たちが撮影成功の秘訣・極意としている内容の一部をご紹介いたしました。e-ディテーリング動画制作をご計画の際には、ぜひ、私たちにお手伝いさせてください。

おまけ

ホテルだけでなく、ちょっと変わった場所での撮影もオツなものです。

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